プラの一括回収はどうなるのか?

一括回収プラの落札状況

容リプラと製品プラの一括回収品の入札が、今年度(2023年)からスタートしました。そこで、日本容器包装リサイクル協会が公表した落札結果を上記の表のように加工しました。従来型の容リプラと、一括回収(32条)の落札状況を比較しています。

従来型で入札した自治体は662団体ありましたが、一括回収の自治体が35団体(左の赤のセル)でした。つまり、初年度一括で入札した自治体は全体の約5%に過ぎませんでした。にもかかわらず、(数量ベースで)順調に落札されたのが65%に留まりました。一方で、入札が不調だったため、指名競争入札でなんとか落札されたのが35%(右の赤のセル)もありました。従来型で不調となったのが3%しかないことと比べると、その差は歴然です。(入札は数量ベースで行われるので、落札結果は数量で見ています)。

これは、再商品化事業者が一括回収品の応札に及び腰で、どのようなモノが出てくるのか、設備や品質に影響が出るのか「様子見」だったということが最大の理由でしょう。ところが、一括回収品の搬入が3ヶ月ほど行われた現時点(2023年7月)では、一括回収の影響はあまりわかっていないようです。
実は、一括回収を開始した自治体には2種類あります。1つは、容リをこれまでに回収してこなかった自治体が、新たにスタートする場合。もう1つは、既に容リ回収をしている自治体が、一括に切り替えた場合です。前者は、一括回収の影響を評価する以前に、そもそも容リプラとしても選別のレベルが低く、なんとも言えないようです。後者は、市民が一括に切り替わったことにあまり気づいておらず、これまでと回収されているものがほとんど変わらないそうです。したがって現時点では、一括回収の本当の影響はなかなか見えていないので、再商品化事業者の「様子見」姿勢はもう少し継続する可能性が高いのです。つまり、一括回収の応札は、すぐには勢いがつかなそうなのです。では一方の、自治体の一括回収の増加ペースは、どうなのでしょうか?

一括回収は32条で今後も増える?

2022年に、容器包装リサイクルを推進する「プラスチック容器包装リサイクル推進協議会」が、全国の主要自治体(政令指定都市、中核市、特別区、特例市等の104自治体)を対象に「プラスチック資源の再商品化等に関する自治体アンケート」を実施しました。(ネット公表されていないかもしれません)。それによると、一括回収を予定もしくは検討している自治体が85%もあるようです。そして適用するスキームとしては、32条が20%、33条が3%、未定が75%で最も多いようです。現状未定のところが多いですが、やはりリサイクル先の選定を入札にお任せできる、32条に相当流れるのではないでしょうか?

とはいえ、32条に流れた場合の懸念は、落札不調です。今年度は指名競争入札で受け入れ先が決まりましたが、今後はどうなるか分かりません。そもそも、一括回収だけでなく、容リプラの回収そのものが増えるというインパクトもあります。現時点では、従来型の容リ回収の人口カバー率は75%です。今後は容リだけでも2割増、製品プラは容リの1割増しと見積もると、合計で現状より3割増しの可能性があります。入札が今後どうなるかは、不透明と言わざるを得ないでしょう。

確実にリサイクルするために

いうまでもなく、再商品化ができる事業者と直接契約し、33条の認定を受ける方法が安心確実です。一方で、製品プラスチックは一括回収後でも丁寧に選別すれば、付加価値を上げることが出来ます。この点は、製品プラと容リプラは違います。付加価値を上げることで、より安定した再生プラスチック市場で、うまく行けば有価売却もありえます。
プラニックは、選別後の製品プラスチックを国内の広い地域から回収しております。そのため、選別施設の整備から分別方法のご相談、マテリアルリサイクルのテスト実施など、具体的なアドバイス、検討を行っています。ご興味をお持ちの方は、下記までお気軽にお問い合わせください。