プラスチックのリサイクルループ

リサイクルループ

リサイクルループとは?

リサイクルループとは、排出者の廃棄物/副産物をリサイクルした後にできた製品を、排出者がまた利用、販売する事を言います。現在のところ、法律の仕組みとしては食品リサイクルの中の認定制度があります。「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の概要」から引用すると

食品関連事業者が、肥飼料等製造業者及び農林漁業者等と共同して、食品関連事業者による農畜水産物等の利用の確保までを含む再生利用事業計画を作成、認定を受ける仕組み

だそうです。つまり、「排出事業者が、自社の廃棄物/副産物から作られた製品などを販売する仕組み」のことです。イメージとしては、ループ=輪が閉じていて、もとに戻ってくる、という感じでしょうか。ただ、ここでよく問題になるのが、

  • 【INPUT】ループの中に外部の資材や原料が入っても良いのか
  • 【OUTPUT】ループの外にリサイクル材がでても良いのか

という疑問です。

2種類のリサイクルループ

マテリアル・ループ

マテリアル・ループとは、「ある排出事業者が原料として供給したマテリアル(廃棄物)と同一のものが、加工されて製品になって再びその排出事業者から販売される」、というループを指します。ループというとこれを想像される方が多いのですが、実際はなかなか難しいのです。食品リサイクルでは肥料から野菜が、飼料から肉ができると言っても、それだけでは足りず、追加的に肥料や飼料は必要でしょう。したがって、通常は外部からの【INPUT】が行われます。一方の【OUTPUT】については、生産された肉や野菜を、他に販売しないようにするには、かなりの管理コストがかかります。これを厳密にやるなら、ほぼ専用農場です。

プラスチックの場合は食品リサイクルより厳密なマテリアル・ループを組みやすいでしょう。理想的には、設備を一度空にしてから加工しなければなりませんので、これには相応のコストがかかります。空にしないまでも、時間を区切ってそのマテリアルを投入し、そのタイミングで生産される製品を調達することもできます。後者の方法であればコストはそれほどかかりませんし、それなりの同一性が担保できます。

マテリアル・ループは、誰にでもイメージが湧きやすいため、PR目的で採用されることが多いようです。どの方法を採用するのか、どこまで厳密さを求めるかは、かけられるコスト、数量、品質などを考慮して決定すべきでしょう。

マスバランス方式

マスバランス方式とは、バイオマスプラスチックなどで最近使われている概念です。プラスチックの製造プロセスに、バージンプラスチック70%、バイオマスプラスチック30%を加えると、バイオマスプラスチック30%含有のプラスチックができます。プラスチックの原料は大量生産されますので、バイオマスプラスチック100%の材料を使用したい会社があっても、実際には現実的ではありません。そのため、バイオマスプラスチック100%のプラスチックを30%、バージンプラスチック100%のプラスチックを70%生産したことにするという考え方です。

この考え方を、再生プラスチックのリサイクルループに適用するのです。例えば10tの使用済みプラスチックを供給し、実際には他のプラスチックと混合して薄まってしまうのですが、供給した10tと同量を購入することで、ループが成立したと考えるのです。供給したものが製品になるタイミングにできるだけ合わせて購入してもよいですが、必要なタイミングで購入しても良いでしょう。安定した品質と数量の資材を調達でき、コストもリーズナブルになるはずです。マスバランス・ループと言っても良いでしょう。長期的に見ると、マスバランス・ループのほうが合理的ですし、広く普及していくはずです。

ヴェオリアグループのリサイクルループ

ヴェオリアグループは、東日本圏にプラスチックのマテリアルリサイクル工場を4箇所保有しております。この総合力を活かし、マテリアル・ループ、マスバランス・ループの両方をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。